3.「ゴマ」は美味しいが・・・
ゴマは確かに独特の風味があり美味しいものですが、度が過ぎると(量が多いと)ちょっと鼻に付きませんか?

タンタン麺や味噌ラーメンなど、ベースとなるスープの味や香りが強い場合はあまり気になりませんが、醤油ラーメンや塩ラーメン(心情的には豚骨ラーメンも)などで、はじめからドバッと入れられているとやや興ざめしてしまいます。(もちろん味のアクセントとして数粒程度が浮かぶ分には異論は全くありませんです)

やたらとゴマの入っているラーメンは、恐らくはゴマを含めた味が完成品なのかも知れませんが、思わず「これ、ゴマラーメン?」と聞き返したくなってしまいます。

大量のゴマは明らかにスープの微妙な風味をゴマ一色に変えてしまいます。まさかこれを逆手にとって何らかのマイナスの臭いを消す目的で使用しているなんてことは・・・・・・いや、考えますまい。

個人的にはゴマに対してなんのトラウマもなく、むしろ大好きなくらいです。でも、できればその時々の気分や好みで入れられるようにカウンターに置くようにして欲しいなぁ・・・。
4.悲しきラーメンリポーター
テレビ等でのグルメ情報番組を見聞きしていると、リポーターさんの言動に時折悲しくなることがあります。
まずはスープを啜った瞬間のお決まりのセリフ…
「見た目はこってりしているけど飲むとあっさりしている〜」
「見た目はあっさりなのに、しっかりとしたコクがある〜」
「昔なつかしい味ですね〜」(二十歳そこそこの人に限って言ってたりする)

…これらは本当に当人が感じたことかも知れません。が、あまりにもこうした番組が多い昨今では幾分聞き飽きたコメントであることも事実です。とは言うものの、ここまでは「そういう仕事だから」と割り切れば、なんとか許容範囲のうち…。(間違ってもマイナスコメントはできませんしね)

問題は、大げさなリアクションやギャグのみで終わり、結局まともなコメントが一つもない!という方が少数ながら存在しているということです。
もうこれは最悪…。自身の味に対する感性の無さ(あるいはリポーターとしての不勉強さ)をオチャラケで誤魔化している以外、何の言い訳もできません。このようなリポーターさんには即刻退場願いたいくらいです。
 
その時にご主人の困った笑顔がチラッと映ったりすると、見ていて本当に悲しくなります。
渾身の一杯を傷つけるようなことだけはどうかご遠慮ください。
5.私の食べ方

ラーメンの食べ方は十人十色。何が正しいというものではありませんが、私の食べ方を聞いて下さい。

まず、『スープ』ですよね。これを味わってみないことには始まりません。最低3回、その際にあまりにも美味しい場合はついつい8回位連続で啜ってしまいます。

次は『麺』。私は少量を口に入れ、風味や食感をしばし味わった後に、引き続き『チャーシュー』をひとかじりし、次いでスープもひと啜り。三者の融合を口中で楽しみます。その後も麺+具+スープのパターンを繰り返すのですが、具に『のり』があれば早めに食べるようにしています。だって時間が経つとブヨブヨになってスープ表面に散ってしまい、のり臭くなってしまいますからね。
 
エンディングはチャーシューをひと口分残るように調節しておき、それを頬張りながらスープを飲み干していきます。完食です!
6.豚骨の臭い

食材としての豚骨には独特の臭みがあります。そしてそれはしばしばスープにも現れ、これが苦手という方も少なくないと思います。
私は基本的には嫌いではありません。但し、それはあくまでも混ざりけのない豚骨スープの場合に限ってです(ここではそういったスープを「ド豚骨」と呼ばせて下さい)。
明確な根拠はないのですが、ド豚骨の豚骨ラーメンを食べる時は、その臭いまでが味の一部であると納得できるような気がするのです。
 
では、ド豚骨以外は?となると、具体的には豚骨しょうゆや和風とんこつ、とんこつ味噌等といういうことになりますが、その他にも普通のしょうゆラーメンでもとんこつが多く使用されているものも含みます。

で、何がいけないかと言うと、それは中途半端な臭い方です。メインが豚骨以外の食材のはずなのに、脇役である豚骨の臭いがかぶってくるという点です。豚骨の臭いのするしょうゆ、豚骨の臭いのする和風だし、豚骨の臭いのする味噌…。ド豚骨のように豚骨の旨味と相俟ってドーンと嗅覚に突き抜ける臭いでなく、醤油や和風だしの香りに隠れてコソ〜ッ、コソ〜ッと臭うところがなぜか許せません。豚骨ならではのコクを得るメリットがあっても、ここでは明らかにその臭いがデメリットになっているような気がしてなりません。

この臭いって技術や工夫があれば何とかなるものではないのでしょうか?それとも臭わせることにもそれなりの意義があるのでしょうか?

意外とみなさんは気にしていないようですけど、私、結構気づいてしまうのです。
7.チャーシューの臭い

臭いについてもう一つ。チャーシューも意外と臭う場合があります。特にモモ肉の部分はロースやバラの部分と比べると、もともと臭いが強いのでそれなりに手間をかけないとモロに獣臭さが残ってしまいます。
一方、たとえ臭いの少ないロースやバラの部分でも、前日からスライスした状態での持ち越しは油分が酸化して独特の臭いが生じます。

話は少しズレますが、女性とラーメンの話をする時、チャーシューはあまり重要視していない印象を受けます。かと言って彼女たちは豚肉嫌いというわけでもありません。それゆえに、決して好物とは言えないものの臭いが鼻に付くようなことがあれば、それは明らかにマイナス要素でしょう。

具の中でもとりわけ存在感のあるチャーシュー。せっかくの美味しいスープが台無しにならぬように…と、いつも一口めは緊張してしまいます。


オマケ:その他の気になる臭い
・缶詰コーンの缶詰っぽい臭い
・水でもどしたワカメの時間の経った後の水っぽい臭い
・あまり新鮮でない背脂の臭い
8.元ダレは必要か?

カウンターにはコショウをはじめとして様々な調味料が置かれています。
そんな中で最近気になるのは元ダレの存在です。

これって必要なものなのでしょうか?
もちろん、九州ラーメンでしばしば見られるように、替え玉を用意してあるお店であれば、スープの補充に近い方法としてそれは必要なものでしょう。←これは頷けます。
しかし、そういったシステムがないのにサービス?で置いてある場合がごく少数ながら存在しているのです。

当然、そこで作られたラーメンは完成品のはずです。すなわち作り手の納得のいく味が商品として提供されていわけですから、それを気に入るも気に入らないも客の自由であり、もし気に入らなければもう食べに来なければいいだけのことです。
「味が薄い!」と感じる人のためにわざわざ気を使って用意したものなのでしょうか?それとも客から要求されたものなのでしょうか?(それ以外の理由は…えッ!ご飯にかけるため!?…クラクラ〜)

客が元ダレを大量に使用するということは、大げさに言えばそのラーメンの味を否定しているということだと思います。ご主人はそれを見て何を感じているのでしょうか?

思うに、ラーメン作りに懸ける意気込みとこだわりがあれば、そういった部分で客に気を使うことは全く必要ないでしょうし、客の要望を丁寧に断ってもいいはずです。(要望するほうもするほうですが…)

その味で大丈夫!ご主人がプライドを持って旨いと信じるラーメンを提供して下さい
9.美辞麗句はほどほどに…

雑誌などでラーメンに関する記事を読んでいると、どれも美味しそうに思えてきます。
しかし実際に食べに行くと、そうでもないな〜と思うことが決して少なくありません。そんな時、その店へ私を駆り立てた理由を探ってみると、以下のような言葉にたどり着きます。
「究極の」「極上の」「絶妙!」「絶品!」「至高の」「クセになるような」「行列必至の」「毎日通いたくなるような」等々…。

情報誌という性格上、思わず食べたくなるように記事で盛り上げることは必要かも知れません。ただ、あまりにも容易にこれらの「重みある言葉」が使われているような気がしてなりません。一体、この世には究極のラーメンがいくつ存在しているのでしょう?絶品と至高ではどちらが上なのでしょう?
私たちはこれらの過大な表現に対し、無意識のうちに過大な期待を寄せてしまい、理想と現実のギャップに惑わされてしまうのではないでしょうか?

取材に至った美味しいラーメンにはそれなりの良い理由があるはずです。安易な言葉で褒め称えてばかりだと本質がぼやけてしまい、かえってそのラーメンを傷つけることにもなりかねません。
美辞麗句はほどほどに…


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